免税店になるための仕組みとメリットをご紹介

免税店の仕組みとメリット
訪日外国人観光客が頻繁に訪れる観光地や、東京で言うと特に秋葉原に、免税店が多いです。
海外にあまり行かない日本人の場合だと、免税店はあまり馴染みの深い言葉ではないかもしれません。
しかしながら、日本に訪れる外国の人にとっては、免税店はお土産などを買うのにとても重要なお店となります。
そのため、業種を問わず店舗を経営している方であれば、免税店になることに興味を持っている方は多いのではないでしょうか。
ここでは、免税店になるための仕組みやメリットなど、免税店に関わるあらゆる情報をご紹介します。

免税店とは

免税店とは、特定の条件を満たすことで、外国人観光客に対して、消費税を免除した上で商品を販売できる店舗のことを指します。
そのため、免税店には分かりやすく看板などにTax Freeと書かれている事が多いです。
一定以上の商品の合計料金を支払う、パスポートの提示など、観光客が消費税を免除するための条件はいくつかあります。
また店舗側も、免税するための手続きを観光客に対して行わなければなりません。
例えば、レシートや商品の読み取り、購入者誓約書や購入記録表などの各種免税書類の発行などが挙げられます。
外国の人であれば、消費税を払いたくないと思うのは自然なことですので、免税店は外国の人を取り込みやすいといメリットがあります。

免税店になるための仕組み

免税店になるには、経営する事業者が納税地を所轄する税務署に申請をする必要があります。
申請するには、輸出物品販売場許可申請書や店舗内の免税販売マニュアル、事業内容や取扱商品の詳細などの提出が必須となります。
許可されるポイントしては、対象となる外国人観光客に対して、免税手続きの説明と、行うための環境を整えることです。
免税手続きの説明とは、英語などの外国語を実際に話すということではありません。
パンフレットなどを用意して、観光客が免税手続きについて理解できる環境を整えるという事です。
そして免税手続きを行う環境というのは、カウンターなど、実際に行うための設備がきちんと用意されているかどうかです。
気を付けてほしいのは、免税手続きのためだけの特別なカウンターを用意する必要がない、という事です。
あくまで、手続きができるだけの設備があるかどうかがポイントなので、その点は勘違いしないようにしましょう。

免税店のメリット

日本に訪れる外国人の観光客数は、年々増加傾向となっています。
そして何よりも、来たる2020年には待ちに待った東京オリンピックが開催されます。
都内や東京近郊が賑わいを見せ、オリンピック観戦の前後に京都や鎌倉などの観光名所に訪れる外国の人が一気に増えることが予想されます。
オリンピックは売上増加に繋がるまたとないチャンスとなるので、非免税店との差別化を図った方が、メリットがあります。
また日本に訪れる外国の人は、旅行者用の口コミサイトを参照する事も多いため、知名度を上げるチャンスにもなるのではないでしょうか。
オリンピックを機に免税店の需要を上がり、その中で売上を伸ばす可能性が充分にあるため、免税店になるメリットが大いにあると言えます。

今までの免税店の問題点

免税店になって外国人観光客が取り込めるようになった反面、浮き彫りにされてきた問題があります。
それは、免税手続きに10分ほどの時間が必要となる事で、場合によってはそれ以上掛かる事もあります。
今までの免税手続きの方法だと、手書きで手続きに必要な書類を作成しなければならず、パスポートの情報も書き写さなければなりませんでした。
そのため、諦めて帰ってしまう人も時折出てきてしまい、また、手書きならではのミスも起きる事がありました。
このように、メリットとデメリットが悪い意味で両立している問題が、免税店になることを妨げる一因になっていたのです。
ですが、免税店のスタッフを悩ませるそんな問題を解決してくれる免税対応システムが登場した事で、状況は変わりつつあります。

免税対応システムのメリット

免税対応システムとは、先程ご紹介しような問題を解決するシステムです。
では一体、免税対応システムの特徴とはどういったものなのでしょうか。
導入する主なメリットを3つほど、ご紹介したいと思います。

免税手続き時間の短縮化

免税店を悩ませてきた1番の問題は、手続きに掛かる時間でした。
ですが、免税対応システムを導入することで、手続きに掛かる時間を5分以内に短縮できるメリットがあります。
より具体的に言うと、特定の機器でパスポートを読み取ってから、各種書類をプリンターから自動発行できるのです。
免税対応システムの内容やプランによって、必要な情報をスタッフがパソコンで入力したり、手書きをする必要があります。
しかし、それらの作業も必要最小限で済むので、スタッフに余計な負担が掛かることはありません。

記入ミスが少なくなる

今までは、免税手続きをしてもらおうと外国の人が並んでしまって、焦りから記入ミスをする事もありました。
また、やはり手書きであるため、どこかで書き間違いが起きてしまう事もありました。
ですが、免税対応システムにより、スタッフによる手書きが必要最小限となったことで、書き間違いが起きにくくなりました。
その上、免税手続きの時間そのものが短縮化されたので、外国の人が並んでしまっても、焦りを感じなくなります。
落ち着いて手続きができることで、必要最小限な手書き作業すらも余計に間違えにくくなるという相乗効果も期待できるようになります。

専用カウンターの設置も可能

大型ショッピングモールや複合商業施設の場合だと、専用の免税カウンターを設置する事がよくあります。
複数の店舗で購入してしまうと、それだけ免税手続きに時間を要してしまう問題がありました。
しかしながら、免税対応システムを導入すれば、複数店舗のレシートを読み取るだけで、ひとまとめで免税手続きができるようになります。

おすすめの免税対応システム一覧

近畿システムサービス

概要

近畿システムサービスの免税対応システムは、ブランドショップやドラッグストア、大型ショッピングモールなどに導入した実績があります。
近畿システムサービスはPOSシステムの開発も行なっているので、POSシステムと連動させることができます。
ですので、複数回に渡って商品を購入した場合でも、レシートさえあれば合算して免税処理ができます。

おすすめポイント

近畿システムサービスの免税対応システムの導入プランは、2つあります。
1つ目のプランは省スペースタイプで、ハンディターミナルとモバイルプリンタだけで免税手続きを実行します。
名前の通りスペースをあまり必要としないので、アパレルショップや各種専門店などにオススメです
2つ目は高速処理タイプで、パソコンとスキャナ、そしてプリンタが必要となります。
こちらも、名前の通り高速処理が特徴なので、大量の免税手続きも難なく実行できるようになります。

SmartDetax(スマートデタックス)

特徴

株式会社オルタナレッジが開発した『SmartDetax』は、アプリ化されたスマートフォン専用の免税対応システムです。
スマートフォンにアプリをインストールし、カメラ機能でパスポートを読み取るだけで、各種書類の発行ができます。
必要とされるのはプリンタだけという事もあって、低コストでの導入が可能で、全国で約2,200もの免税店への導入実績を誇っています。

おすすめポイント

SmartDetaxには標準版と、SmartDetax PROという高機能版の2種類があります。
標準版は、POSレジのレシートを添付して使うタイプとなります。
反対に高機能版は、標準版の機能だけでなく、POSサーバーと連動させる機能を備えていて、連動させることで免税書類への自動印刷が可能です。
その他にも、高機能版にはいくつかの注目すべき機能があります。

J-TaxFreeシステム

概要

NECソリューションイノベータが開発したJ-TaxFreeシステムは、従業員の負担を軽減できる免税対応システムです。
手続き時間の短縮化や、記入ミスや書き漏れなどを防止してくれます。
そして、別ソリューションで開発したPC-POS MATEというPOSシステムと連動させることで、売上情報を連携できます。

注目ポイント

J-TaxFreeシステムは、シチュエーションに合わせた導入が可能です。
パソコンやタブレット、iPadのいずれかにアプリをインストールし、プリンタとリーダーに接続する事が使用できます。
用途によってハードウェアを選択できるので、既にパソコンを持っている方は、そのまま使用できる事が可能です。
また、リーダーはレンタルという形になるので、プリンタも元から持っていれば、免税対応システムの導入コストをかなり抑えられます。

Smart免税

概要

株式会社プラネットが開発した『Smart免税』シリーズは、iPhone専用アプリの免税対応システムです。
シリーズにはSmart免税Naviと、Smart免税Proの2種類があります。
Smart免税Naviは独立型であるため、既に運用しているPOSレジを取り替える必要がありません。
iPhone1つで商品分類が可能で、商品の名前や値段を一覧にして印刷できる機能があります。
そして何よりも、iPhoneとレシートプリンターさえあれば運用可能なので、置き場所に困ることはありません。

注目ポイント

Smart免税Proは、株式会社プラネットが開発したPOSシステムと連携することで運用できる免税対応システムです。
そして、複数回の購入で免税対象額になったとしても、レシートを合算しての手続きが可能
になります。
ですので、外国人観光客は買い足しを遠慮なくできるというメリットがあり、結果として売上アップに繋がる要素となります。

OneMinute

概要

アルファノート株式会社が開発した『OneMinute』は、タブレットやスマートフォンにアプリをインストールして運用する免税対応システムです。
タブレットやスマートフォンのカメラでパスポートやレシート情報を読み取るので、プリンターを用意するだけで運用可能です。
10,000回もの読み取りテストを重ねているという実績は、安心できる材料なのではないでしょうか。

注目ポイント

OneMinuteを使用するには、3つの運用プランから選ぶ必要があります。
初期費用が0円に抑えられるプリンターレンタルプランと、ランニングコストを抑えられるプリンター購入プラン。
そして、その名の通り短期間での使用が望ましい短期利用プランがあるので、店舗に最適なプランを選ぶようにしましょう。

まとめ

今までは、免税店になったとしても、メリットとデメリットが悪い意味で両立しているという状況が続いていました。
しかしながら、免税対応システムの登場によりデメリットが小さくなりました。
免税店になろうと考えている方は、なるための仕組みや対応システムなどを参考にしていただきたいです。

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